株価下落時に利益を狙える投資手法として注目を集めている「空売り」。しかし、通常の株式投資とは異なり、複雑な仕組みやリスクも存在します。そこで今回は、空売りについて、わかりやすく解説します。
空売りとは?
空売りとは、現時点で持っていない株を証券会社から借りて売り、その後、株価が下がったところで買い戻して利益を得る取引方法です。簡単にいうと、「借りたものを売って、後で安く買い戻す」というイメージです。
空売りの仕組み
- 証券会社から信用取引で対象となる株を借りる
- 借りた株を市場で現物売りする
- 株価が下がったら、市場で現物買いして借りた株を買い戻す
- 買い戻した株を証券会社に返却する
空売りのメリット
- 株価下落時に利益を狙える:空売りの最大のメリットは、株価が下がっているときでも利益を得られることです。通常の株式投資では、株価が下がるほど損失が大きくなりますが、空売りであれば、逆に利益が増えます。
- ポートフォリオのヘッジ(リスク回避)に利用できる:空売りは、ポートフォリオ全体のリスクをヘッジ**(回避)する手段としても有効です。例えば、全体的な株価下落が予想される場合、空売りを行うことで、ポートフォリオ全体の損失を軽減することができます。
- 信用取引の制度を利用して、少ない資金で大きな取引ができる:空売りは信用取引の制度を利用するため、自己資金以上の金額で取引することができます。つまり、少ない資金で大きな利益を目指すことが可能です。
空売りのデメリット・リスク
- 株価が想定以上に上昇した場合、損失が大きくなる:空売りの最大のデメリットは、株価が想定以上に上昇した場合、損失が大きくなることです。株価が上がれば上がるほど、買い戻しのために必要な資金が増え、損失が膨らみます。このことから、「空売りは命まで危険になる」と言われることもあります。
- 金利や貸株料などのコストがかかる:空売りには、金利や貸株料などのコストがかかります。これらのコストは、空売りの利益を圧迫する要因となります。
- 空売りに規制が設けられている銘柄がある:空売りは、市場の安定を確保するため、すべての銘柄に対して行えるわけではありません。空売り規制対象となる銘柄は、証券取引所や金融庁によって定められています。
- 信用取引の追証リスクがある:空売りは信用取引で行うため、追証のリスクがあります。追証とは、信用取引の口座の評価額が一定水準を下回った場合に、追加の資金を預け入れることを意味します。株価が想定以上に下落した場合、追証によって自己資金以上の損失が発生する可能性があります。
空売りの税金
現物での取引の場合、税金は特定口座で源泉徴収されるけど、空売りはどうなんでしょう?
空売りで得られた利益は基本的に雑所得扱いになります
空売りの利益は、雑所得として課税されます。一方、空売りの損失は、株式等の損失控除の対象となります。株式等の損失控除は、年間で38万円まで損失を所得から控除することができます。
空売りするのにおすすめの証券会社
近年、空売り規制が緩和され、空売りできる銘柄数が増加しています。また、一部のネット証券で空売りが可能になりました。
SBI証券でお馴染みのSBIホールディングスの関連会社で、信用取引に特化したネット証券です。制度信用金利はネット証券の中でも随一の低さを誇ります。
空売りを始める前に
空売りって株価が下がっても利益が出るけど、やりようによっては現物以上の損失が出るのか…
でも株価が下がっている時でも利益を出すなら覚えていないとね
空売りは、大きな利益を狙える一方で、リスクも大きくなります。空売りを始める前に、十分な知識と経験を積み、リスク管理を徹底することが重要です。
空売りは下落相場でも利益を出せる取引手法ですが、ギャンブルにならないようにリスク管理は気をつけて下さい